ヘッドスピードとは?ドライバーの平均やスピードを上げる方法
目次
ゴルフのヘッドスピードとは
ゴルフのヘッドスピードとは、インパクト時(クラブのフェース面がボールに当たる瞬間)に出るヘッドの速度です。ヘッドスピードは飛距離に比例しており、一般的に速いほど遠くに、遅いほど近くにボールが飛びます。
ヘッドスピードの目安は、以下の式で計算可能です。
【ゴルフのヘッドスピードの計算式】 ヘッドスピード(m/s)=ドライバーの飛距離÷5.5 |
(引用サイト:サンクチュアリゴルフ)
ヘッドスピードを計算するには、ドライバー、つまり最も遠くまでボールを飛ばしやすいクラブで打ったときの飛距離を把握する必要があります。例えばドライバーの飛距離が220ヤード前後の場合、ヘッドスピードは約40m/sです。
ゴルフのドライバーのヘッドスピードの平均
自分のヘッドスピードを平均値と比べると、現在のレベルがわかります。以下の表に、ドライバーのヘッドスピードの平均速度を男女のプロ・アマ別にまとめましたので、自身と同じカテゴリの数値と比べてみてください。
ドライバーのヘッドスピードの平均 | 平均飛距離 | |
一般男性ゴルファー | 35~43m/s | 200ヤード前後 |
男子プロゴルファー | 48m/s以上 | 280ヤード前後 |
一般女性ゴルファー | 34m/s未満 | 150ヤード前後 |
女子プロゴルファー | 40m/s以上 | 240ヤード前後 |
男女ともに、一般とプロではヘッドスピードに大きな差があることが読み取れます。なお、同じくらいのヘッドスピードでも一般男性と女子プロの飛距離が開いているのは、飛距離にはミート率や打ち出し角といったさまざまな要素が影響するためです。
プロと比較する必要はありませんが、同性の一般ゴルファーと比べて平均以下の場合、改善の余地があります。
ゴルフのヘッドスピードの測り方
ゴルフ上達を目指すために、自分の正確なヘッドスピードを把握しておくことは非常に大切です。ヘッドスピードは年齢やコンディションなどによって変わるため、定期的に測定して細かく分析すると、より能力向上につながります。ヘッドスピードの測り方は、主に以下の3つです。
- ゴルフショップで測る
- ゴルフ練習場で測る
- 市販の測定器で測る
ゴルフショップで測る
ヘッドスピードは、クラブなどを購入するゴルフショップで測定できます。ほとんどの大型ゴルフショップには試打コーナーにスイング測定器が設置されており、クラブのフィッティング時に使用できるサービスがあります。
測定や分析のサービスは有料の場合もありますので、店に行く前に確認しておくとよいでしょう。
ゴルフ練習場で測る
ゴルフ練習場に設置された測定器でヘッドスピードを測るのも、一つの手です。
練習場では、プロも使うような自動計測機や、室内で多彩なコースが楽しめるゴルフシミュレーターが使用できます。ゴルフシミュレーターは、実際にプレーする感覚でセンサーによるヘッドスピードの計測や、スイングの映像確認などができるのが特長です。
練習場で確実に計測したい場合、測定器が設置されている打席を予約することをおすすめします。施設によっては、打席料とは別に測定料金がかかる点にも気を付けてください。
市販の測定器で測る
持ち運べるサイズの測定器がゴルフショップなどで市販されているため、ヘッドスピードは自宅や行きつけのゴルフ場でも計測可能です。
市販の測定器には、クラブに取り付けるタイプやスイング時に後方に置くタイプなどがあり、手軽にヘッドスピードやミート率が測れます。スマホアプリと同期して、長期的なデータを蓄積できるモデルも人気です。
モデルによって機能の充実度はさまざまですので、自分に合った測定器を使い、正確なヘッドスピードを把握しましょう。
ゴルフのヘッドスピードを上げる方法
では、ヘッドスピードを上げるには具体的にどのような対策をとればよいのでしょうか。スピードを加速させる方法は、大きく以下の2つがあります。
- クラブを替える
- スイングの仕方を変える
1つ目は自分に合ったクラブに替えること、2つ目は腕や下半身の動かし方を意識してスイング方法を変えることです。詳しく解説します。
クラブを替える
ゴルフでは、自分の筋力や体格に適したクラブでなければ、ヘッドスピードを含め最大のパフォーマンスは出せません。そのため、クラブが合わないのであれば替える必要があります。
クラブを替えるときのポイントは、シャフト(棒状の部分)の「重さ」「硬さ」「素材」の3つです。それぞれのポイントに着目した選び方のコツを紹介します。
重さ
シャフトの重さは、スイングの安定性に直接関係する要素です。幅広い重さのクラブからどれを選べばよいか迷う場合、自分の筋力やゴルフの熟達レベルを参考にします。
初心者におすすめなのは、現在の筋力で無理なく振り切れる程度の軽いシャフトです。疲労がたまりにくく、最後までスイングが安定します。ただし、力が強い人は軽いシャフトだとヘッドがブレやすいため、重いシャフトを試してみてもよいかもしれません。
硬さ
シャフトの硬さとは、しなりやすさを指します。バックスイング時にシャフトがしなり、振り下ろしてヘッドがボールに当たる際にしなりが戻る流れが、ヘッドスピードが上がる原理なのです。
シャフトの硬さを選ぶ際は、現在のヘッドスピードが基準になります。以下の表に、軟らかいシャフトと硬いシャフトのメリット・デメリットと、どんな人におすすめかをまとめました。
軟らかいシャフト | 硬いシャフト | |
メリット | 強い力を込めなくても長い飛距離が狙える | 弾道が安定しやすい |
デメリット | 飛距離や弾道が安定しにくい | 飛距離が出にくい |
おすすめな人 | ヘッドスピードが遅めの人 | ヘッドスピードが速めの人 |
一般的にヘッドスピードが平均より遅い人には、しなりやすく飛距離が伸びるチャンスのある、軟らかいシャフトが適しています。初心者も、まずは軟らかめからレギュラーのシャフトを使ってみてください。逆にヘッドスピードが速く飛距離に自信がある人には、ボールが飛ぶ方向が安定しやすい、硬いシャフトがおすすめです。
シャフトの硬さは細かく段階分けされているうえに、同じ硬さでもクラブによって打感が異なる場合もあるため、必ず試打してから選びましょう。
素材
ここまで紹介してきた重さや硬さに影響するのが、シャフトの素材です。シャフトの代表的な素材として、「スチール」と「カーボン」の2つが使われています。例外はありますが、スチールは比較的重くてしなりにくく、カーボンは軽くてしなりやすいのが基本的な特徴です。
スチール | カーボン | |
メリット | 弾道が安定しやすい | 強い力を込めなくても飛距離が出やすい |
デメリット | 飛距離が出にくい | 弾道が安定しにくい |
おすすめな人 | ヘッドスピードが速めの人 | ヘッドスピードが遅めの人 |
弾道をコントロールしやすいスチールは、ヘッドスピードが速めの人向けといえるでしょう。一方、ほとんどのドライバーに使われているカーボンは、ボールが上がりやすく飛距離が伸びやすいことから、ヘッドスピードが遅めの人向けです。
どちらが初心者向けか一概にはいえませんが、適度な重さがあるスチールシャフトは体全体でスイングする感覚をつかみやすく、初めての方にも適しています。
ヘッドスピードの速さや技量のほかに、アイアンやフェアウェイウッドといったクラブの種類によっても適した素材が異なりますので、やはり試打が欠かせません。
スイングの仕方を変える
クラブを替えてもヘッドスピードが上がらなかった場合、スイング時の体の使い方に問題があるかもしれません。次の3つのポイントを押さえながら、スイングの仕方を変えてみてください。
- 腕の振り方を変える
- 下半身の動きを意識する
- コックをキープする
腕の振り方を変える
スイング時の腕の振り方は、ヘッドスピードに大きく関係しています。闇雲に腕を大きく振るのではなく、次のような流れを意識してください。
まず大事なのは、両脇をしっかりと締めて、二の腕を胸の辺りでキープすることです。特に右脇を締めることで、トップ時の右ひじの角度を保ったままインパクトでき、その後は遠心力で自然に右ひじが伸びていきます。こうした腕の振り方を会得すればミート率が上がり、自然とヘッドスピードも上がるでしょう。
正しい腕の振り方ができるようになる練習として、タオルを両脇に挟んで行うハーフスイングが有効です。タオルが落ちない程度に軽く脇を締めて、9時から3時方向にスイングします。
下半身の動きを意識する
ヘッドスピードを上げるには、腕だけでなく、下半身の動きにも注意しなければいけません。
バックスイングしてトップからクラブが降りてくるときに、左足を強く踏み込むことが重要です。すると前側に重心が移動し、上半身が下半身の動きに追いつこうとします。こうして体の回転が速まり、ヘッドスピードが上がるのです。
下半身の動きを意識するための簡単なトレーニング方法として、タオルでの素振りがあります。クラブに見立てた細長いタオルの片方の先端を結んでヘッドを作り、下半身から腰、肩、クラブの順で動くのをイメージしながらスイングすると、感覚がつかみやすいでしょう。
コックをキープする
「コックをキープする」とは、バックスイングで親指側に倒した右手首の角度を保ったままスイングし、インパクトでその角度を解放することを指します。
ポイントは、トップ時の右手首の角度を、インパクト直前もしくはその瞬間までキープすることを意識しながらスイングすることです。タイミングよく手首を回転できるとヘッドがボールに急角度で当たり、ヘッドスピードが加速しやすくなります。
コックをキープできるようになるための特別な練習法はありません。普段のスイングや素振りで手首の角度をしっかり入れ、キープの仕方や解放するタイミングを体で覚えるのが一番の近道です。
まとめ
今回は、ヘッドスピードが飛距離と密接に関わる、ゴルフ上達に欠かせない要素であることを紹介しました。自分のヘッドスピードや飛距離が気になるのであれば、まずは現在のヘッドスピードを測定し、平均と比べてどれくらいのレベルにいるのか把握することが大切です。ヘッドスピードには筋力だけでなくクラブのしなり方や重さ、腕・手首・下半身の動かし方が影響しています。これらの一部を改善するのではなく、自分に合ったクラブで体全体を正しく使ったスイングができるように練習しましょう。
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