人材業界に革新を 世界中の人々を幸せにする会社へ【ルビーイン株式会社】
目次
【仕事内容】
Q:どんなお仕事をされていますか?
現在は、新卒採用に特化した人材サービスを行っています。ウェルハンティングという逆求人型のイベントをメインに学生と企業のマッチング事業と人材紹介をしています。
【始めたきっかけ】
Q:仕事を始めたきっかけは何ですか?
前職で人材サービスに関わっていたことが一つのきっかけです。また、たくさんの人を幸せにしたいという思いが根っこにあり、人を幸せにする手段を模索していた時、自分自身がその幸せを追求できる道を考え、それが独立して会社を立ち上げることに繋がりました。
Q: 幸せにするという考えは、何かきっかけがあったのですか?
自分がある程度満たされたことが、人を幸せにしたいと思った理由の一つです。幸せになれたのは、母親が自分をいつも承認してくれて、期待してくれたことが大きいですね。家庭や学校でも、自分を大事にしてくれた友達や周囲の人たちのおかげで、「自分はこのままでいいんだ」と感じることができました。母が大学2年生の時に病気で亡くなった経験から、「人は誰かのために生きている」という考えが強まりました。母の人生を通じて感じたその価値観が、今の自分に大きく影響を与えています。生きている時間を使ってより多くの人を幸せにしたいと思うようになりました。
【経歴、人生】
Q: どのような人生でしたか?
僕は福岡出身で、名前がお寺っぽいので「実家はお寺ですか?」とよく聞かれますが、全然関係ありません。福岡から筑波大学に進学し、心理学を学んでいました。もともと理系で物理や数学が得意だったんですが、一生それをやる人生はイメージできなかったんです。そこで「面白いことがやりたい」と思い、人間が一番面白いという結論に達して心理学を選びました。
大学時代はボランティア系のサークルを3つ掛け持ちしつつ、びっくりドンキーで週5~6でアルバイトをしていました。並行して、サークル立上げと就活支援団体に所属するようになりました。その中で「自分一人の夢を叶えるよりも、多くの人の夢を叶える方が社会に価値を生む」と感じるようになりました。10人の夢を叶えれば、10倍の価値が生まれますからね。それで、「人の夢を叶えるために、自分が経営者になろう」と決意しました。夢に挑戦できない理由は、不安やリスクが多いと思います。そこで僕がリスクを引き受けて、資金を提供し、一緒に成功を目指すという形を考えたんです。
Q: 大学卒業後起業はなぜしなかったのですか?
まずは経営者になるために必要なスキルとして営業力が欲しかったので、名前の知られていない会社で、興味のない高額商品を売ることで営業力が磨けると考え、不動産業界に就職しました。不動産の営業を楽しくやりながら、最長でも3年で次のステップに進もうと決めていました。2年目の終わりにパチンコ屋さんから店舗開発の仕事のオファーを受け、転職を決意しました。このタイミングで、商業不動産など新たな経験が得られること、そして次期社長候補の右腕として成長できるチャンスを得たことが大きな転職理由でした。その後、人材系の会社に転職し、「逆求人型イベント」を手がけるプロジェクトに参画しました。このイベントは、僕自身が学生時代に参加したことがあるイベントで、自由に自己表現ができ、夢を探す場/夢の叶え方を探す場だったので非常に意義を感じていました。その後、2020年7月に独立し、自分の会社を設立しました。現在は、多くの人の夢を叶えることはもちろん、たくさんの人を幸せにすることを目指して活動を続けています。
【やりがいを感じるとき】
Q: これまでに仕事がうまくいったと感じたエピソードを教えてください。
学生や求職者が、自分の意思を大事にして就職活動に取り組むようになった時に、自分の仕事の意義を感じます。多くの人が、親や社会の期待に縛られている中で、自分の本当にやりたいことに気づいて、そこに向かって進んでいく姿を見ると、非常にやりがいを感じます。企業側からもいい人材を採用できたお声を聞くのがとてもうれしいですね。
【困難を乗り越える方法】
Q: 仕事上で直面した困難は?
高いものを目指せば目指すほど、困難は増えると思います。ただ、理想と現実のギャップをすごく感じていて、それが楽しみでもあります。また、人材業界の難しさを感じています。特に、求職者と企業の間でバランスを取るのが難しく、エージェントに対する学生や求職者からのイメージはマイナスなものも多いと感じています。理由として企業からお金をいただくという構造になりやすいため、学生の意見を尊重できていない、企業からの依頼が優先されがちな状況があります。求職者のニーズに100%応えていない場合も多く、そのギャップが業界全体の課題だと思っています。学生さんに誠実になりきれない側面を解消していく難しさはあります。
Q: どう乗り越えましたか?
抽象的ですが、誠実に取り組むことを常に心がけています。自己分析をしっかり行い、就職先を紹介するまでに何度も面談を重ねて、その人に本当に合う企業を見つける努力をしています。簡単に解決できる課題ではないですが、誠実に対応することで少しずつ改善していけると信じています。
【新卒採用に特化した理由】
Q: なぜ新卒採用に特化しようと思ったんですか?
その理由はいくつかありますが、大きな理由の一つは、若いタイミングで意思決定に関わることで、将来的なキャリアが全体的により良い方向に進むと考えているからです。学生さんは、企業を自由に選べる貴重なタイミングにあります。中途採用でも同じような状況があるかもしれませんが、中途採用ではどうしても条件やこれまでの経験を活かせるかどうかが重視され、選択肢が狭まることが多いです。企業も、即戦力として活躍してもらうことを期待する傾向があります。その点、学生の方が選択肢が広く、新卒の方が就職活動における幅が大きいと感じています。そういった理由で、今は新卒領域の事業に注力しています。
【学生へのアドバイス】
Q: 大学1年生から2年生に向けてアドバイスをお願いします。
僕は学生さん、特に高校生や中学生にも、やりたいことに挑戦することがとても大事だと思っています。これまで、多くの人が「良い高校に入るために勉強を頑張る」とか、周りの期待に応えるために生きているケースが多いと思います。しかし、大学に入ると少し自由な時間が増えるので、「これをやってみたい!」と思ったことがあれば、たとえ周りが反対したとしても、自分がやりたいと思うことならぜひ挑戦してほしいと思っています。
挑戦を積み重ねることで、最終的に就職活動をする際に「自分は何がやりたいんだろう?」とか「どうなりたいんだろう?」と聞かれた時に、自然と自分のやりたいことが明確に見えてくるようになるんです。だからこそ、大学1年生の頃は特に、できるだけいろんなことに手を出してみることが大切だと強く思っています。
Q: 大学3年生や4年生に向けてアドバイスをお願いします。
一番大事なのは自己分析だと思っています。これまでの20年ほどの人生の中に、自分の価値観や大事にしたいもの、好き嫌いなど、自分の核となるものが詰まっているはずです。だから、自分が何を求めているのか、どうすれば幸せになれるのか、自分の中にあるものをしっかりと見つけてほしいと思っています。それが最初にやるべきことです。
企業を見に行くのはもちろん大事ですが、企業を選ぶ際に「分かりやすい良い会社だから」といって、フィーリングで進んでしまうこともあります。そうすると、本当に自分に合うかどうかを見失ってしまう可能性があります。だからこそ、まずは自分と向き合って、自分を理解することが大切です。
時間があるなら、多くの企業を見に行くのも良いと思いますが、その過程で自分との向き合いも並行してやってほしいです。自分を深く知ることで、企業選びもより確かなものになります。
【モチベーションの維持】
Q: どのようにモチベーションを維持していますか?
そもそもモチベーションの維持や増減という感覚はなく、基本的に「目の前にあることを頑張ること」が自然と身についているように思います。たとえば、小学校の授業のリコーダーでもクラスの男子の中で一番真剣に取り組み、一番早く覚えたりしていました。こういった小さな成功体験が積み重なり、何かがあれば「頑張った方がいい」と思うようになっています。手を抜くことや、頑張らないことが逆に危険な状態だと感じることがあるのも、こうした経験からきていると思います。
目的を持って選んでいることも、モチベーションに影響をしていると思います。親のおかげで、自分の意思決定を自由にさせてもらってきました。例えば、幼少期の習い事も、親が「やりなさい」と言うのではなく、自分が「やりたい」と思ったことだけをやらせてもらい、辞めたい時は自由に辞めさせてもらえました。そうした環境で育ったことで、自然と「自分で選ぶ理由」が大事だと感じるようになりました。子どもの頃は「楽しそうだから」という理由で選んでいましたが、今は「人を幸せにしたい」や「人の夢を叶えたい」という目的を持って物事に取り組むようになりました。
親が亡くなったことをきっかけに、自分が生きる意味や目的について深く考えるようになり、「人のために生きること」が自分の生きる意味だと感じるようになりました。人を幸せにするために生きることが、僕の大きなモチベーションになっているのかもしれません。もし、例えば「一生貧しい暮らしをすればたくさんの人が幸せになる」のであれば、一生貧しい暮らしをすることを選択するくらいの強い意志で取り組んでいます。
Q: 千手さんにとって仕事は人生においてどんな役割ですか?
仕事は生きる目的を叶える手段だと考えています。つまり、「何のために生きるのか」と「何のために働くのか」はイコールでいいと思っています。生きる目的を叶える手段として仕事はとても面白いものだと感じていますし、このルビーイン株式会社は、自分が死んだ後も人を幸せにし続けてくれると信じています。
僕が生きられるのはせいぜい残り70年くらいだと思いますが、その後にどれだけ多くの人に価値を提供できるかがとても重要だと考えています。自分が死んだ後も世界は続いていくわけですから、隕石が落ちない限り(笑)、何をこの世に残せるかが超重要です。そう考えた時、会社というものが一つの「残すべきもの」として非常にイメージしやすく、世の中の流れに合わせて進化しながら価値を提供し続けるものだと思っています。だからこそ、今この会社を経営していることには大きな意義があると感じています。
【今後の展望】
Q: 今後の展望について教えてください。
ビジョンである「世界で最も人を幸せにしている会社と考えた時、人材事業だけでは足りないと思っています。もちろん、人材事業は大好きですし、価値があると信じてこれからも続けていきます。しかし、人材事業以外の分野にも進出しようと考えています。また、日本という国にこだわるつもりはあまりなく、人間を幸せにすることが目標であれば、国の違いはさほど重要ではないと思っています。ですから、海外にも事業を広げていく必要があると感じています。事業がある程度の売上に達し、ビジョンに共感してくれるメンバーが集まれば、さらに広がりを持たせ、売上を伸ばし、投資もできるようになると思っています。今は、まさにその「土台作り」のタイミングだと感じています。生みの苦しみとよく言いますが、この大変さを乗り越えて、理想の未来を死ぬまで追っていきたいと思います。