インターンとは?初めての人向け完全ガイド【前編】
目次
インターンの基礎知識
【インターンの定義】
インターンシップとは、学生が在学中に企業や団体で一定期間就業体験を行うことで、職業経験や企業理解を深め、将来のキャリアプランを考える機会を得る制度です。近年では、学生の職業意識の向上や企業の人材育成の一環として、多くの企業で積極的に導入されています。
従来のインターンシップは、就業体験を通して学生に職業意識を養ってもらうことを目的としていましたが、近年では企業側が採用活動の一環として捉えるケースも増えています。そのため、インターンシップの参加経験が就職活動で有利に働く可能性も少なくありません。
インターンのメリット
インターンシップに参加することで、学生と企業の双方にメリットがあります。ここでは、それぞれの立場におけるメリットを詳しく解説します。
学生のメリット
インターンシップは、学生にとって、将来のキャリアプランを考える上で非常に貴重な機会となります。企業で働くということがどのようなものなのかを実際に体験することで、自分がどのような仕事に就きたいのか、どのような業界で活躍したいのかを具体的にイメージすることができます。
1. 業界や企業の理解を深められる
インターンシップに参加することで、業界や企業の事業内容、組織体制、企業文化などを具体的に知ることができます。企業説明会やホームページだけでは得られない、リアルな情報に触れることで、業界や企業に対する理解を深めることができます。
例えば、
- 金融業界のインターンシップに参加することで、銀行、証券会社、保険会社など、さまざまな金融機関の事業内容や役割について学ぶことができます。
- IT業界のインターンシップに参加することで、システム開発、Web制作、アプリ開発など、さまざまなIT関連業務の内容や、最新の技術トレンドについて学ぶことができます。
このように、実際に現場で働く社員と接したり、業務を体験したりすることで、業界や企業に対する具体的なイメージを持つことができます。
2.実際の仕事内容を体験できる
インターンシップでは、企業の実際の業務を体験することができます。もちろん、インターンシップの内容は企業や職種によって異なりますが、実際に社員と同じように業務に取り組むことで、仕事内容や仕事の進め方、必要なスキルなどを具体的に理解することができます。
例えば、
- 営業のインターンシップに参加することで、顧客への提案資料作成、電話対応、訪問同行などを体験することができます。
- マーケティングのインターンシップに参加することで、市場調査、データ分析、広告運用などを体験することができます。
このように、実際に手を動かして業務に取り組むことで、教科書やウェブサイトだけでは得られない実践的な知識やスキルを身につけることができます。
3.ビジネススキルや社会人としてのマナーを身につけられる
インターンシップでは、ビジネススキルや社会人としてのマナーを身につけることができます。ビジネスメール、電話対応、報連相、時間管理など、社会人として必要な基本的なスキルを、実践を通して学ぶことができます。
例えば、
- 上司や先輩社員への報告の仕方、連絡のタイミング、相談の仕方などを学ぶことができます。
- 顧客とのメールのやり取り、電話対応を通して、ビジネスマナーを学ぶことができます。
このように、インターンシップを通して、社会人としての基本的なスキルやマナーを身につけることで、就職活動やその後の社会人生活をスムーズにスタートすることができます。
4.就業経験を通して、自己分析やキャリアプランの明確化ができる
インターンシップでの経験を通して、自己分析やキャリアプランの明確化を進めることができます。実際に企業で働くことで、自分の強みや弱み、興味や価値観、仕事に対する適性などを客観的に見つつめ直すことができます。
例えば、
- インターンシップで、自分の得意な分野や苦手な分野、興味を持てる仕事内容、やりがいを感じられる瞬間などを発見することができます。
- 社員との交流を通して、さまざまなキャリアプランや働き方を知り、将来のキャリアプランを描くためのヒントを得ることができます。
このように、インターンシップを通して得られた経験や気づきは、自己分析やキャリアプランの明確化に役立ちます。
5.企業の人事担当者と直接話せる機会があり、就職活動に有利になる可能性がある
インターンシップでは、企業の人事担当者と直接話せる機会があります。企業説明会や面接とは異なり、よりリラックスした雰囲気で話せるため、企業や仕事内容について、より深く知ることができます。また、人事担当者に自分の強みや能力をアピールすることで、就職活動で有利に働く可能性もあります。
例えば、
- インターンシップで高いパフォーマンスを発揮したり、積極的に行動したりすることで、人事担当者に好印象を与えることができます。
- インターンシップ後に、人事担当者から個別面談や選考への案内を受けるケースもあります。
このように、インターンシップは、企業の人事担当者と直接コミュニケーションを取る貴重な機会となり、就職活動におけるアドバンテージを得られる可能性があります。
インターンシップの種類
インターンシップには、大きく分けて以下の3つの種類があります。
その他にも、オンラインで実施される「オンラインインターンシップ」や、大学院生(修士課程・博士課程)を対象とした「大学院生向けインターンシップ」など、さまざまな種類があります。
【短期インターンシップ】
短期インターンシップは、1日から数週間程度の短い期間で行われるインターンシップです。業界・企業研究や仕事理解を目的としており、企業説明会やグループワーク、社員との交流などが主な内容となります。
短期間で効率的に企業や業界について知ることができるため、就職活動の初期段階にある学生におすすめです。また、複数の企業のインターンシップに参加することで、比較検討がしやすくなるというメリットもあります。
◆メリット
- 短期間で参加できるため、学業との両立がしやすい
- 複数の企業のインターンシップに参加し、比較検討しやすい
- 業界や企業の全体像を把握しやすい
◆デメリット
- 実際の業務内容を深く理解することは難しい
- 実務経験を積むことは難しい
〈例〉
- 企業説明会
- 業界動向セミナー
- グループワーク(ケーススタディ、新規事業立案など)
- 社員との交流会
- オフィス見学
【中期インターンシップ】
中期インターンシップは、数週間から数ヶ月程度の期間で行われるインターンシップです。企業の実際の業務に近い体験を通して、より実践的なスキルや知識を身につけることを目的としています。部署配属やプロジェクト参加など、より実践的な内容のプログラムが用意されていることが多いです。
一定期間、実際の業務に近い経験を積むことができるため、就職活動だけでなく、将来のキャリアプランを考える上でも貴重な経験となります。
◆メリット
- 実際の業務に近い経験を通して、実践的なスキルや知識を習得できる
- 企業の文化や風土を深く理解できる
- 社員と密接に関わることで、社会人としてのマナーやコミュニケーションスキルを学べる
◆デメリット
- 学業との両立が難しい場合がある
- 企業によっては、参加条件が厳しく、選考倍率が高い場合がある
〈例〉
- 部署配属
- プロジェクト参加
- 研修制度の受講
- 社員とのメンタリング
【長期インターンシップ】
長期インターンシップは、数ヶ月から1年程度の長期にわたって行われるインターンシップです。長期的なプロジェクトへの参加や責任ある役割を任されるなど、より実践的な内容のプログラムが用意されています。企業によっては、長期インターンシップの参加者を対象とした採用ルートが用意されている場合もあります。
長期的な視点でキャリアプランを考えることができるため、将来のキャリアを真剣に考えている学生におすすめです。また、企業側にとっても、長期にわたって学生の能力や適性を見極めることができるため、ミスマッチを防ぐ効果が期待できます。
◆メリット
- 責任ある役割を任されるなど、高いレベルの業務経験を積むことができる
- 企業の社員と深く関わることで、人脈を築くことができる
- 企業によっては、長期インターンシップの参加者を対象とした採用ルートが用意されている場合がある
◆デメリット
- 学業との両立が非常に難しい
- 企業によっては、参加条件が厳しく、選考倍率が非常に高い場合がある
〈例〉
- 新規事業開発
- 海外展開支援
- マーケティングリサーチ
- システム開発
【オンラインインターンシップ】
オンラインインターンシップとは、インターネットを活用してオンライン上で行われるインターンシップです。場所を選ばずに参加できるため、地方在住の学生や海外留学中の学生でも参加しやすい点が特徴です。また、企業側にとっても、従来の対面型のインターンシップに比べて、開催コストを抑えられるというメリットがあります。
オンラインインターンシップの内容は、企業やプログラムによって異なりますが、企業説明会やグループワーク、社員との交流など、従来の対面型のインターンシップと同様の内容が実施されることが多いです。近年では、VRやARなどの最新技術を活用した、より臨場感のあるオンラインインターンシップも登場しています。
◆メリット
- 場所を選ばずに参加できるため、地方在住の学生や海外留学中の学生でも参加しやすい
- 交通費や宿泊費などの費用がかからない
- 自分のペースで参加できる
◆デメリット
- 企業の雰囲気や社員とのコミュニケーションを感じにくい
- 技術的な問題が発生する可能性がある
〈例〉
- グループワーク
- 社内会議への参加
- 工場見学
- 資料作成
- 実務の体験
【大学院生向けインターンシップ】
大学院生向けインターンシップは、大学院生(修士課程・博士課程)を対象としたインターンシップです。専門知識や研究経験を活かせるプログラムが用意されていることが多く、高度な専門知識やスキルを身につけることができます。また、企業の研究開発部門とのつながりを持つことができるため、将来、研究職や専門職を目指す学生にとっては貴重な機会となります。
◆メリット
- 専門知識や研究経験を活かせる
- 高度な専門知識やスキルを身につけることができる
- 企業の研究開発部門とのつながりを持つことができる
◆デメリット
- 専門分野と異なるプログラムに参加してしまう可能性がある
- 研究や論文執筆との両立が難しい場合がある
インターンシップの探し方
インターンシップを探す方法は、大きく分けて以下の3つがあります。自分に合った方法で、効率的に情報収集を行いましょう。
インターンシップ情報サイト
数多くの企業のインターンシップ情報を掲載しているため、効率的に探すことができます。情報が整理されており、検索機能も充実しているため、自分の希望に合ったインターンシップを見つけやすいでしょう。掲載企業数が多いサイトでは、1日に数百件もの新規募集が掲載されることもあります。企業規模や業界、勤務地など、様々な条件で絞り込み検索できるため、効率的に情報収集可能です。
■リクナビ
掲載企業数、求人数ともに国内最大級です。インターンシップだけでなく、新卒採用情報も充実しています。
■マイナビ
リクナビと並んで有名な就職情報サイトです。インターンシップ情報も充実しており、業界や職種、エリアなど、様々な条件で絞り込むことができます。
■Wantedly
ベンチャー企業やスタートアップ企業のインターンシップ情報に強みがあります。企業の雰囲気や仕事内容などが詳しく掲載されていることが多く、ミスマッチを防ぐことができます。
大学独自のインターンシップ情報
大学が企業と連携して提供しているインターンシップ情報です。大学のキャリアセンターなどに問い合わせることで、情報を得ることができます。大学生の参加を想定しているため、学生にとって参加しやすい内容のものが多いでしょう。また、大学の単位として認められるインターンシップもあります。他の学生とインターンシップ先で顔を合わせる機会は少ないため、企業の社員と密に関わり、濃密な時間を過ごせる可能性が高いでしょう。
大学独自のインターンシップ情報の入手方法
- 大学キャリアセンター
- 大学ホームページ
- 学部・学科からの案内
企業のホームページ
興味のある企業のホームページで、インターンシップ情報を掲載している場合があります。企業のホームページに掲載されている情報は、その企業の事業内容や求める人物像などを理解するのに役立ちます。また、他のサイトでは掲載されていない、独自のインターンシップ情報が掲載されていることもあります。企業の採用ページには、インターンシップ参加者の声を掲載している場合があり、仕事内容や雰囲気を具体的に知ることができます。選考対策のヒントになる場合もあるため、必ずチェックしましょう。
自分に合った探し方をする
上記以外にも、インターンシップ情報は様々な方法で入手することができます。
友人や先輩、家族などから情報収集
実際にインターンシップに参加したことがある人から、生の声を聞くことができます。経験談を通して、仕事内容や職場の雰囲気、選考のポイントなどを知ることができるでしょう。ただし、伝聞情報であることを踏まえ、参考程度にとどめておくことが大切です。
SNSやブログで体験談を参考にする
インターンシップの体験談を参考にしたり、企業の採用担当者と直接会えるイベントに参加してみるのも有効です。ただし、情報源の信頼性を確認することが重要です。
企業の採用担当者と直接会えるイベントに参加する
合同説明会や企業単独のセミナーなど、企業の採用担当者と直接会って話を聞くことができるイベントがあります。直接質問したり、企業の雰囲気を感じ取ることができるため、積極的に参加してみましょう。企業の採用担当者と直接会えるイベントには、主に以下の様なものがあります。
- インターンシップ合同説明会
- 企業単独説明会
- 業界研究セミナー
- キャリアフォーラム
- entee Campus
インターンシップ探しで活用したいサービス
自分に合ったインターンシップを探すために、様々なサービスを活用してみましょう。ここでは、代表的なサービスを3つのカテゴリーに分けてご紹介します。情報収集サイトによって、掲載されている企業の傾向が異なる場合があります。複数のサービスを併用することで、より多くの情報を得ることができ、自分に合ったインターンシップを見つけやすくなるでしょう。また、各サービスが提供するイベント情報やコラムなども積極的に活用することで、視野を広げることができます。これらのサービスは、就活の準備段階から活用することで、企業研究や自己分析にも役立ちます。
▼スカウト型
自分のプロフィールやスキル、経験などを登録しておくと、企業やヘッドハンターからスカウトが届くサービスです。自分から企業を探す手間が省けるだけでなく、自分の希望やスキルに合った企業からオファーが届く可能性があります。企業側も、登録者のスキルや経験を事前に把握しているため、選考に進みやすいというメリットがあります。スカウト型サービスは、効率的に企業と出会いたい人や、自分の強みをアピールしたい人におすすめです。
▼逆求人型
企業が、登録している学生のプロフィールや自己PRを見て、インターンシップや採用選考への参加をオファーするサービスです。従来の就職活動のように、学生が企業に応募するのではなく、企業からオファーが届くため、効率的に就職活動を進めることができます。また、自分のスキルや経験をアピールすることで、思わぬ企業からオファーが届く可能性もあります。逆求人型サービスは、効率的に就職活動を進めたい人や、自分の市場価値を知りたい人におすすめです。
▼情報収集型
特定の業界や職種、企業規模などに特化したインターンシップ情報を提供しているサービスです。一般的な情報サイトでは見つからないようなニッチな情報や、優良企業のインターンシップ情報を得ることができます。また、業界研究や企業研究に役立つコンテンツを提供しているサービスもあるため、効率的に情報収集を進めることができます。情報収集型サービスは、特定の業界や企業に興味がある人や、質の高い情報を得たい人におすすめです。
▼イベント型
参加型採用イベントは従来の面接形式に加え、新たな取り組みとしてグループディスカッションや遊びながら企業との交流をすることができるサービスです。イベントを通じて、履歴書だけではない内面のポテンシャル部分や意欲を企業に直接アピールすることが可能です。また企業の魅力を直接聞くことができたり企業から自己評価のフィードバックをもらえるため成長にも自己成長にも繋がります。